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タントラのカビールのブログ タントラライフジャパン代表

ほうそうか

ある未婚の町娘が妊娠した。
腹の子の父親は誰かと、娘の父親は厳しく問い詰めた。
 相手は恋仲となった若者であったが、結婚を許してもらえないと思った娘は、苦し紛れに嘘をついた。
禅師の子である、と。
怒った父親は、禅師の寺に乗り込み、生臭坊主と罵った。
禅師は、一言、「ほう、そうか」と言ったのみであった。
娘が赤子を産むと、父親は禅師のもとへ行き、お前の子なのだからお前が面倒を見ろ、と言って、赤子を押しつけた。
禅師は、一言、「ほう、そうか」と言ったのみであった。
禅師が町娘を孕ませた――噂は広がり、高僧としての禅師の評判は失墜した。法話を聞きに寺に通っていた人々も去ってしまった。
禅師は、一言、「ほう、そうか」と言ったのみであった。
閑古鳥の鳴く寺で、禅師は、愛情をこめて赤子の世話をした。
一年後、良心の呵責に耐えられなくなった町娘は、真実を話した。
娘の父親は、禅師に謝罪し、娘の子だから赤子を返してほしいと申し入れた。
禅師は、一言、「ほう、そうか」と言って、赤子を返した。
噂は広がり、さすがは高僧だと人々は誉めそやした。法話を聞きに、再び聴衆が戻ってきた。
禅師は、一言、「ほう、そうか」と言ったのみであった。